多世帯住宅とは二世帯、三世帯住宅の呼び方を変えたものとなります。

もともと2世帯住宅とは、1975年にヘーベルハウスから出された商品名が広く知れ渡り、いまでは一般的な多世帯住宅の代名詞となっています。

当時は同じ建物を1階と2階でクッキリ分け、それぞれキッチンなどの生活空間を作り、親子世帯がそれぞれ独立した生活が送れるような作りが主流でした。

それから30年近くが経ち、時代の移り変わりや共働き夫婦の増加などの影響を受け、多世帯住宅も変化を伴ってきました。

今回はそういった2世帯住宅を代表とした「多世帯住宅」のメリットデメリットを元に、共働き世帯に対しておすすめできる点をご紹介したいと思います。




日常面でのメリット

多世帯住宅

家事の協力

近年、共働き世帯の増加にともない、妻がフルタイムで勤務する割合も増加しています。

こういった場合、自宅にいる時間が減ってしまい、炊事、洗濯、掃除といった家事は、帰宅後または休日にまわすことになります。

しかし、一人暮らしであふれば1週間程度洗濯物を溜めてもたいした量ではないかもしれませんが、家族が多い場合はそうはいきません。

2回3回と洗濯機を回すことになりかねませんので、せっかくの休日が平日ためた家事をこなすことで手一杯となってしまうことにも。

しかし他世帯住宅であれば、こういった家事の負担を親世帯に協力してもらうことで、軽減することが出来ます。ただし「誰との同居か」で、つまり「妻の親か、夫の親か」でその恩恵は変化するようです。

自分の親と同居のほうが気楽に頼めすし、逆に相手の両親ではどうしても気を使ってしまうため、その魅力は半減してしまうでしょう。

また同居する親が高齢になるにつれて出来なくなる家事も増えますので、その部分を子が協力することで、家事ヘルパーなどに頼む経済的負担も減りますし、また気軽に頼めるというメリットもあります。

育児の協力

小さなお子さまを抱える夫婦の場合、身近な親は非常に助かる存在になります。

特に子どもが小さい場合で、保育園や幼稚園に預けて仕事に行く場合、突然子どもの体調が悪くなることもしばしばあります。

そしてこういったケースでは、会社を早退してお迎えにいかなくてはなりません。

しかしこういった緊急事態はいつどれくらいの頻度で起このか予測することは難しいですし、頻繁に起きるようだと仕事に何かしらの影響を与えかねません。

そういう時に多世帯住宅であれば、一時的にでもこどもの面倒を見てくれると親の存在は非常に助かります。

また送迎をお願いできる親がいれば、さらに負担が減るでしょう。

また初めてのお子さまの場合、体調を崩すたびに「何か大きな病気になるのではないか?」「一晩様子を見るべきか、病院にいくべきか」で頭を悩ますことも多いでしょう。

こんな時も子育て経験のある、そして相談ができる親の存在は大変心強いものです。

これは多世帯住宅ならではのメリットではないでしょう?

急な天候不良や郵便物の受け取り

これらは本当にささいなことですが、洗濯物や布団を干して出かけたとき、急な雨が降っても取り込んでもらうことができます。

また宅急便や郵便物の受け取り、買い物など日常的な小さなことではありますが、結構重宝するでしょう。







経済面でのメリット

不動産購入に関する経済的メリット

多世帯住宅にすることで、土地・建物に必要な金銭的な負担も削減しやすくなります。

例えば親世帯が所有している土地に子世帯がローンを組んで建てるケースが多く、その場合土地の購入費用が浮くことになります。

また単独でマイホームの購入が難しい場合でも、こういったケースであればローンが組めるケースもあります。

さらに資金が準備ができていた場合でも、土地代を住宅の建築費に充当することが出来るため、よりグレードの高い設備や間取りを選択することが可能になります。

光熱費でのメリット

また親と子の世帯がバラバラに暮らした場合と、2世帯で暮らした場合では光熱費の消費も少なくなる傾向にあります。

多世帯の設計プランによっても異なってきますが、例えばキッチンは分離だが風呂は共有だったり、玄関を共有など生活の効率化を考えれば、その分の光熱費が抑えられます。

税に関するメリット

2015年1月1日から相続税の税率構造が変わり、相続税の基礎控除額が引き下げられ、最高税率が引き上げられました。

それによりいままで相続税がかからなかった場合でも、今後は課税されるケースがかなり増えることになります。

これまでは、

5000万円+(1000万円×法定相続人の数)、だったのですが、今回基礎控除額が引き下げられて

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

となりました。

仮に相続人が1人だとしたら、基礎控除額が2400万円も引き下げられることになります。

ただし、親が自宅用に使っている親の名義の土地を、同居している子が遺産分割が整ったうえで相続し、相続税の申告期限まで居住と所有を継続した場合は、一定面積まで80%も減額されます。

つまり、二世帯住宅で同居し、その子が親名義の自宅土地を相続することで、自宅土地の相続税評価額が大幅に引き下げられ、相続税が減額される可能性があるのです。

その場合、土地建物の登記については注意が必要です。

2世帯住宅のメリットを受けるためには、親と子で登記は分けず(区分登記はせず)、親または子の単独登記か、出資割合に応じた共同登記にしておきましょう。※興味のある方はお近くの税務署までお問合せ下さい。







多世帯住宅のデメリット

ここまで多世帯住宅のメリットを説明してきましたが、2世帯同居がスタートしてから後悔しないためにも、多世帯住宅のデメリットについても理解しておきましょう。

2世帯住宅で多く聞かれるのが、主に人間関係での悩みやトラブルです。

基本的に2世帯住宅ですのでどちらかの親と同居することになりますが、少なからず気を遣うことになります。

特に嫁姑問題が考えられる場合、人間関係の調整は難しいものになりがちです。

例えば、家事のやりかたや順番など同じようでも家庭によって結構違ってくるものです。つまり自分の家庭の常識が、相手の家庭の常識とは限らないのです。

離れて暮らしていればこういった違い気付くことも、お互いが見る必要もないでしょうから、それほど問題は表面化しません。

しかし2世帯住宅だと、一緒に生活し、より身近で生活するわけですから、嫌でもその違いにより衝突することも考えられます。

そのため些細な家事のことでも、悪気なく言葉が相手にとっては皮肉や嫌味に聞こえたり、また見られているという意識から、普段以上に気を遣って作業することになることがお互いに負担になります。

しかしせっかく多世帯住宅にするのであれば、なるべく摩擦が生じることは避けたいところです。

そのため、家族全員が多世帯住宅で快適な生活を送るため、あらかじめ共通のルールを設けてたり、分離するもの共有するものをあらかじめ話し合って、目的にあった設計を取り入れる方が増えています。

最近の多世帯住宅は施主のさまざま要望に柔軟に対応できる設計を可能にしているため、多世帯住宅のメリットとデメリットのコントロールが可能になります。

べったり同居⇛完全分離(独立2世帯)

さまざまなハウスメーカーで、多世帯住宅の設計に柔軟に対応しています。

部分的に分離する、または完全に分離するプランなど多くが用意されていて、最近では自然な形で分離と同居を可能にするような設計に注目が集まっています。

その方法もさまざまで、1階と2階で世帯ごとの生活スペースを分ける「横割り」パターンと、建物を「縦割り」にし右半分を親世帯、左半分を子世帯とするパターンなどがあります。

玄関を共有・分離する、縦割りの設計の場合でお互いの住居に行き来できるドアを室内に設計するなど、その設計はさまざまです。

このようにフレキシブルな設計が可能になったため、互いの生活リズムや生活パターンなどを考慮し、必要以上に干渉し合わない設計にすることで、多世帯住宅のメリットは享受しつつ、デメリットを減らすことが可能です。

実際にプラバシー重視で完全分離をされている方の経験談を見ると、うまく独立した生活が出来ていて、1週間も顔を合わせることがないなんてこともあるようです。

すこし極端なケースではありますが、こういった要望を叶える設計が可能なのです。

ただし多世帯住宅にする目的をしっかりもって、お互いが無理することなく、お互いがメリットを感じられるようか、「WinWin」の関係が保てる設計をすることが大切です。

しっかりと家族間で話し合い、その決めごとを設計士に相談して、最適なプランを作成してもらうとよいでしょう。

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