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地盤改良工事の種類は非常に多く専門用語が多く出てくるため、ついハウスメーカーなどに一任してしまいがちです。

しかし、新築する際に地盤改良工事は非常に重要な工程です。どれだけしっかりした建物でも、地盤が弱ければ自然災害や地震で崩れてしまいます。

今回は、新築する際の『地盤改良工事』をわかりやすく説明していきます。そして、『実際にどうすればいいのか』という目線でもアドバイスを挙げていきます。

間取りを考える時のようなワクワク感を感じない難しい言葉もでてきますが、意味がわかればもっと家づくりが楽しくなります。

1つ1つ基本を覚えていきましょう。ここから夢のマイホーム作りがスタートします!




地盤改良工事の前に地盤調査を

地盤調査は原則必須!

地盤調査は法的拘束力や義務化がされていない任意の調査だとされていますが、建築基準法上はほぼ全ての設計施工基準において行う必要があります。

一部除外されるものは木造2階建て以下の建物を建てる際は別途、設計施工基準に則った『現場調査チェックシート』で適切にチェックを行い、地盤調査の必要性がないと判断された場合のみです。

ただし、原則として地盤調査は行うべき施工内容であり、地盤調査を行わなかった場合は瑕疵担保に関する保険に加入することができません。

ほぼ全ての建物を建てる際は地盤調査が行われ、その調査により地盤改良工事が必要かどうかの判断がされます。それと同時に、どの地盤改良工事の工法が地盤と適合するかどうかも、この時の調査結果が基になります。

地盤調査の費用相場

スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)

一定のウエイト(重石)を掛けたスクリューポイントという先端がスクリューの様になっている試験機を回転させ、『25㎝貫入するために何回転するか』を計測して地盤の固さを調べるものです。

戸建1棟に対しての調査で6万円~10万円ほどが相場です。

ボーリング試験(標準貫入試験)

多くの国で使われているオーソドックスな地盤調査方法です。

試験方法は60kgほどのウエイト(重石)を75cmの高さから自由に落としてサンプラという棒を『30cm地盤に差し込むまでにかかった回数』で地盤の強度を調査する方法です。

1m辺り1万円ほどが相場でありスウェーデン式サウンディング試験より費用は高額になります。

ボーリング試験は地盤の深さに制限はほぼないと言えるため、大掛かりな重機の搬入などが必要で、現在では地盤調査で戸建を建てるときにはスウェーデン式サウンディング試験が主流となっています。

無料で地盤の強度を調べる方法

ハウスメーカーによっては無料キャンペーンで地盤調査費を0円にすることができます。

しかしハウスメーカーと地盤調査の引き受けが同じところになると第三者の調査結果とは言いにくいため、震災で被害を受けたエリアや地盤が弱いと噂がある土地に新築する予定の方は、地盤調査のプロに相談することをおすすめします。

地盤の強度を自分で調べることもできます。ジャパンホームシールド社という会社が『地盤サポートマップ』という地盤の強度がわかるデータをWEBで無料公開しています。

無料公開し始めた背景としては、ジャパンホームシールド社が日本全国で行った地盤調査や解析をした案件や事案が100万棟を超えたことをきっかけなのだそうです。

会員登録をしなくてもすぐに調べることができるので、ぜひ参考にしてみてください。




地盤改良工事の種類と費用相場

地盤調査の結果、十分な耐久力がないとわかった場合は地盤を強くするために補強しなければなりません。その時の補強工事が『地盤改良工事』です。

建物を建てる土地に「何で」「どのくらいの深さで補うかによって地盤改良工事の種類や内容は変わり、建てる建物の大きさや重量によっても地盤改良工事の種類や内容が変わります。

戸建1棟に対しての地盤改良工事の平均費用は50万円~200万円ほどが相場となっています。

3種類の地盤改良工事の特徴と目安の費用を見ていきましょう。

表層改良工法

費用の目安:施工面積10坪(33.1.㎡)約30万円

地盤改良工事の中で一番弱い地盤が浅いときに用いられる地盤改良工事の方法です。具体的には2m以内までの地盤改良工事で採用される工法です。

弱い地盤に固形材(セメント類)と土を混ぜてロードローラーや振動ローラーなどを用いて転圧。転圧することで地盤が強化される仕組みです。

地盤改良工事の中では一番小規模な工法のため納期が短く1~2日ほどで完成します。そして、多額のコストが掛かるということはありません。小型の重機で比較的浅い場所を補強するため、隣人の方への騒音も最低限で済ませることができます。

しかし、地盤改良工事の中で唯一転圧を用いる工法のため、勾配がある場合は施工スキルが求められ、施工業者の技術力が大きく完成度を左右させてしまいます。

柱状改良工法(湿式)

費用の目安:施工面積10坪(33.1.㎡)約50万円

戸建住宅を建てる際の地盤改良工事で一番スタンダードな工法です。地盤改良工事の中で一番多く採用されている理由の一つとして、日本には柱状改良工法で対応可能な地盤が2m~8mほどの強度の弱い土地が多いということが挙げられます。

表層改良工法とは異なり、特殊な重機で固形材(セメント)を地盤に流し込み強度を上げる工法です。名前の通り柱を地盤の弱いところに立てて地盤の強度上げると言えばイメージは付きやすいのではないでしょうか。

柱を地盤に作るという工法のため特殊な重機は必要ですが、地盤の強度が全体的に弱く「支持層
と呼ばれる丈夫な地層がなくても2m~8mの深さであれば地盤改良工事が可能だという点は優れていると言えます。

しかし、柱を埋め込んでしまうような工法のため、地盤改良工事を行った柱(杭とも呼びます)が残ってしまうため、何も施工していないときよりも土地の価値は下がってしまいます。

「建てる建物の大きさ」や「土地の広さ」などにより、工事が1日で終わらないケースもあります。土地の大きさがコンパクトであれば16本ほどでの施工が一般的です。16本程度であれば1日で施工が完了します。

鋼管杭工法

費用の目安:施工面積10坪(33.1.㎡)約60万円

地盤改良工事の中で鋼管杭工法は比較的施工する事案は他の2つの工法に比べて少ないですが、ロームや砂レキなどからできている地盤の場合、表面改良工法で対応しきれないものに関しては鋼管杭工法が採用されます。

具体的には30m以内の表面改良工法で対応できなかった地盤改良工事が可能です。丈夫な地層の支持層に到達した金属の鋼管で地盤を補強し、建物を建てる土台を作る工法です。

鋼管杭工法の大きな特徴は、アパートなど重量のある建物にも対応ができること。コストはかかりますが、柱状改良工法と違い更地の原状復帰をさせることが可能です。(原状復帰ができるので土地の価値が下がりません)

しかし、しっかりとした地盤を作るために大型の重機が必要になり、近隣への騒動・騒音の問題、細い路地などに面している場合、重機の搬入ができないデメリットもあります。

その上、鋼管杭工法は柱状改良工法と違い「差し込む柱」になるような鋼管を入れることには違いがありませんが、丈夫な支持層にまで鋼管が届かない場合は地盤強化をすることができません。




地盤改良工事の注意点

ご近所トラブルに注意

地盤改良工事中の振動で隣の家のコンクリートに亀裂が入ったという訴訟事例もあります。それ以外にも、密接した住宅街であれば、重機の排ガスや粉塵で洗濯物が干せないなどというトラブルも発生することがありますので注意しましょう。

近所や隣人からの苦情を避けるには前もって、挨拶をして業者のクルマの出入りなどがあることを伝え、留守のときには簡易的でも手書きで挨拶状を入れておくだけで苦情の発生率を抑えられます。

地盤改良工事は、工法によって大きさは異なりますが比較的大きな作業音が出てしまいます。そのため地盤改良工事をお願いする業者がどれだけ騒音対策に力を入れているかも確認しておきましょう。苦情などで警察に被害届を提出されると施工は中止しなければならなくなります。

できれば役割ごとに業者を変える

ハウスメーカーに地盤改良工事を相談する場合は、地盤改良工事業者とハウスメーカーが同じに会社になることは避けたほうが安心です。

自分たちにとっては一生住む家だと思って相談しても、繁忙期や決算前、年度末などで数をこなしたいというような『商売最優先』な会社もあるため、地盤改良工事業者とハウスメーカーは別にして、任せっきりはやめておきましょう。

どうしてもハウスメーカーに頼まなければならないという場合は、地盤改良工事に関するハウスメーカーの口コミを調べてみると良いでしょう。




さいごに

安心の住まいを手に入れるために、まず重要視しなければならないのは「地盤調査」です。

数万円の費用で、この先数十年の『安心』が買えます。

総額の予算を変えるのは難しいという方は、地盤サポートマップを参考に地盤改良工事費用の目安を把握しましょう。

ハウスメーカーや地盤改良工事のプロに相談すると、近隣の事例や参考になる情報を教えてもらえます。

地盤改良工事では、予想以上の『騒音』『振動』が発生するので、隣人や近所の方への配慮も忘れないでくださいね。

そして、手間は掛かりますが、複数のプロの目線からの提案や意見を聞くことをおすすめします。

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