ハウスメーカーのカタログや公式サイトには「断熱等級6」「UA値0.46」といった数字が並びます。ただ、UA値の基準は建てる地域によって違うので、同じ数字でも地域が変われば等級も変わります。

このページでは、国土交通省の告示(評価方法基準)に書かれた基準値だけを使って、等級4〜7のUA値とηAC値を地域区分別の表にまとめます。あわせて、一次エネルギー消費量等級との違いと、2つの等級の組み合わせで決まる補助金・減税の区分を整理します。

先に結論

東京23区・大阪市・名古屋市などの6地域では、UA値の基準は等級4が0.87、等級5が0.60、等級6が0.46、等級7が0.26 W/(㎡・K)以下です。寒い地域ほど厳しく、札幌市などの2地域では等級6が0.28、等級7が0.20以下です。5〜7地域では、これに加えて冷房期の平均日射熱取得率(ηAC値)の基準もあります。

制度との対応は、断熱等級4+一次エネ等級4が省エネ基準適合住宅、等級5+一次エネ等級6がZEH水準住宅と長期優良住宅の省エネ要件、等級6+一次エネ等級8などがGX志向型住宅です。住宅ローン控除の限度額やみらいエコ住宅2026事業の補助額はこの区分で変わります。会社には「等級」と「UA値」を、建設地の地域区分とセットで確認してください。

断熱等級6以上を条件に、間取りと資金計画を無料で比べる(タウンライフ家づくり)公式サイトへPR・無料。依頼後に各社から電話やメールで連絡が来ます。応じるかどうかは自由で、断ることもできます

自分の条件で、総額・補助金・住宅ローン控除を計算できます。 使えるツール: 総額シミュレーター、補助金診断、都道府県別の相場。

断熱等級は1〜7の7段階。判定はUA値・ηAC値・結露対策

断熱等級の正式名は「断熱等性能等級」です。住宅性能表示制度(住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく制度)の評価項目の1つで、外壁・屋根・床・窓などの「外皮」の断熱性能を等級で表します。

国土交通省の「新築住宅の住宅性能表示制度ガイド」は、UA値(外皮平均熱貫流率)は数値が小さいほど断熱性能が高いこと、ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)は数値が小さいほど日射熱を取り込みにくく、冷房期の暑さを軽減することを示す、と説明しています。

等級告示での表現(講じられている対策)制度上の位置づけ
7熱損失等のより著しい削減一戸建ての最上位。8地域(沖縄県など)には等級7がない
6熱損失等の著しい削減GX志向型住宅の断熱要件
5熱損失等のより大きな削減ZEH水準住宅・長期優良住宅の断熱要件
4熱損失等の大きな削減(省エネ基準に相当)2025年4月以降に着工する新築住宅の最低ライン
3熱損失等の一定程度の削減新築では省エネ基準(等級4相当)を満たさない
2熱損失の小さな削減
1その他

一戸建ての等級6・7は、2022年(令和4年)10月1日に施行された日本住宅性能表示基準の改正で設けられました。等級の判定は、評価方法基準で次のように決まっています。

それぞれで満たす等級のうち、最も低いものがその家の等級です。UA値が等級6の水準でも、ηAC値が基準を超えれば等級6にはなりません。なお、気密性能(C値)は判定の項目に入っていません。

等級4〜7のUA値の基準値(地域区分別)

評価方法基準(令和8年3月31日国土交通省告示第436号による改正後)の表です。UA値がこの値以下なら、その等級の基準を満たします。単位はW/(㎡・K)です。

等級1地域2地域3地域4地域5地域6地域7地域8地域
等級70.200.200.200.230.260.260.26―
等級60.280.280.280.340.460.460.46―
等級50.400.400.500.600.600.600.60―
等級40.460.460.560.750.870.870.87―
(参考)等級30.540.541.041.251.541.541.81―
(参考)等級20.720.721.211.471.671.672.35―

読み方のポイントは3つです。

🔢 UA値の差で、外皮から逃げる熱はどれだけ変わるか(計算例)

告示の計算式では、UA値は「外皮の各部位と熱橋から逃げる熱量(温度差1℃あたり)の合計÷外皮の面積の合計」です。外皮の面積と室内外の温度差が同じなら、外皮から逃げる熱はUA値に比例します。6地域で等級4の基準値0.87と等級6の0.46を比べると、(0.87−0.46)÷0.87≒47%少ない計算です。等級7の0.26なら、(0.87−0.26)÷0.87≒70%少なくなります。換気で逃げる熱や日射の取り込みは含まないので、暖房費がこの割合で下がるという意味ではありません。

評価方法基準には、国が定める仕様基準(部位ごとの断熱材や窓の仕様)に適合していれば、UA値とηAC値について等級4・等級5の基準に適合しているとみなす規定があります(結露を防ぐ対策の基準は別に判定します)。等級6・7にはこの規定がないため、UA値とηAC値を計算して確かめることになります。

ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)の基準値

ηAC値は、夏に窓などから入る日射熱の取り込みやすさを表す値です。告示の計算式では、外皮の部位ごとの日射熱取得率に方位と地域の係数を掛け、外皮の面積で平均します。基準があるのは5〜8地域だけです。

等級5地域6地域7地域8地域
等級73.02.82.7―(8地域に等級7はない)
等級63.02.82.75.1
等級53.02.82.76.7
等級43.02.82.76.7
(参考)等級34.03.84.0―

5〜7地域では、等級4〜7のηAC値の基準が同じです。この地域で等級を分けるのはUA値で、ηAC値は「等級4以上に必要な条件」として効きます。評価方法基準では、5〜7地域で等級3のηAC値も満たさない場合は等級2、8地域で等級4を満たさない場合は等級1とされています。

8地域はUA値の基準がないため、ηAC値だけで等級4〜6が決まります。等級6は5.1以下、等級4・5は6.7以下です。

地域区分の調べ方と主な市の区分

地域区分は都道府県単位ではなく、市町村ごとに告示(平成28年国土交通省告示第265号の別表第10)で決まっています。合併した市では旧市町村の単位で分かれることがあり、たとえば長野県塩尻市は、旧楢川村が2地域、旧塩尻市が4地域です。

地域国交省ガイドの目安主な市町村(告示の別表から抜粋)
1北海道等北海道の夕張市・士別市・名寄市など
2北海道等札幌市・旭川市・帯広市、長野県軽井沢町など
3北東北等函館市・青森市・盛岡市など
4東北、北関東等秋田市・山形市・長野市・松本市など
5関東、東海、近畿、中国、四国、九州等仙台市・福島市・宇都宮市・水戸市・新潟市・富山市など
6関東、東海、近畿、中国、四国、九州等東京23区・横浜市・さいたま市・千葉市・名古屋市・京都市・大阪市・神戸市・広島市・北九州市など
7南九州等静岡市・和歌山市・高知市・福岡市・長崎市・熊本市・宮崎市・鹿児島市など
8沖縄等沖縄県の全市町村、鹿児島県奄美市、東京都小笠原村など

同じ県の中でも区分が分かれることはよくあります(例: 福岡県の福岡市は7地域、北九州市は6地域)。建設地が決まったら、告示の別表で市町村名(旧市町村名)を確認するか、施工会社に地域区分を聞いてください。

地域区分は補助金の額にも関わります。みらいエコ住宅2026事業の補助額は、GX志向型住宅なら1〜4地域で125万円、5〜8地域で110万円です。GX志向型の「再エネを含む一次エネルギー消費量削減率」の要件も、一般は100%以上ですが、寒冷地(1・2地域)や低日射地域は75%以上、多雪地域や都市部狭小地等は要件なしと、立地で変わります。

断熱等級6以上を前提に、各社の提案を同じ条件で比べる

UA値の数字は、地域区分とプランで変わります。タウンライフ家づくりでは、希望条件に「断熱等級6以上」「GX志向型住宅を検討」と書いて依頼すると、選んだ会社から間取りプラン・資金計画・土地提案が無料で届きます。依頼後は、選んだ各社から連絡が来ます。依頼先は自分で選べるので、連絡が来る会社も自分で決められます。

タウンライフ家づくりの公式サイト(2026年9月時点の画面)
画像出典: タウンライフ家づくり公式サイト(2026年9月確認)
タウンライフ家づくりのサービス概要

※ リンク先は広告(PR)です。依頼は無料ですが、各社から電話やメールで提案の連絡が来ます。不要になったら断ってかまいません。掲載社・対応エリアは公式サイトでご確認ください。

一次エネルギー消費量等級との違い

住宅性能表示制度には、省エネに関する項目がもう1つあります。「一次エネルギー消費量等級」です。断熱等級が外皮だけを見るのに対し、一次エネルギー消費量等級は外皮の性能に加えて暖冷房・換気・給湯・照明の設備まで含めたエネルギー消費量を評価します。国土交通省のガイドによると、2022年(令和4年)10月から、性能評価ではこの2つの両方の評価が必須になっています。

項目断熱等性能等級一次エネルギー消費量等級
評価するもの外皮の断熱・日射遮蔽・結露対策外皮の性能と、暖冷房・換気・給湯・照明設備を合わせたエネルギー消費量
主な数値UA値・ηAC値設計一次エネルギー消費量(基準値との比較)
新築の等級1〜7(8地域は6まで)1・4・5・6・7・8
等級に効くもの断熱材・窓などの外皮の仕様外皮の仕様に加え、給湯器・エアコン・照明などの設備の効率

一次エネルギー消費量等級は、基準一次エネルギー消費量のうち暖冷房・換気・照明・給湯の合計に下の係数を掛けた値を基準にし、設計値がそれを上回らないことを求めます(家電などの「その他」の消費量には係数を掛けません)。等級7・8は、2025年(令和7年)12月1日施行の改正で追加されました。

一次エネ等級係数制度で使われる場面
80.65GX志向型住宅(再エネを除く削減率35%以上。一次エネ等級8が必要)
70.7―
60.8ZEH水準住宅(再エネを除く削減率20%以上)・長期優良住宅
50.9―
41.0省エネ基準適合住宅

断熱等級が高くても、設備の効率が低ければ一次エネルギー消費量等級は上がりません。逆に、設備だけ高効率にしても断熱等級は上がりません。補助金と減税の区分は、この2つの等級の組み合わせで決まります。

断熱等級と補助金・減税の対応(2026年)

国の制度は、断熱等級と一次エネルギー消費量等級の組み合わせで、主に4つの区分に分かれます。区分ごとの比較は性能区分の比較表にもまとめています。

区分断熱等級一次エネ等級みらいエコ住宅2026事業(1〜4地域/5〜8地域)住宅ローン控除の借入限度額(2026年入居)住宅取得資金の贈与の非課税枠
省エネ基準適合住宅4以上4以上対象外2,000万円(子育て世帯等3,000万円)500万円(耐震等級2以上などなら1,000万円)
ZEH水準住宅5以上6以上40万円/35万円(子育て・若者夫婦世帯。予約申請は2026年8月17日で終了)3,500万円(同4,500万円)1,000万円
長期優良住宅5以上6以上(耐震・劣化対策などの認定基準も必要)80万円/75万円(子育て・若者夫婦世帯)4,500万円(同5,000万円)1,000万円
GX志向型住宅6以上8(再エネを除く削減率35%以上)。再エネを含む削減率とHEMSの要件もあり125万円/110万円(すべての世帯)税制上の区分ではない。ZEH水準の証明なら3,500万円、長期優良住宅の認定も取れば4,500万円省エネ等住宅の証明があれば1,000万円

住宅ローン控除の年間の上限は「借入限度額×0.7%」です。一般世帯なら、省エネ基準適合住宅は2,000万円×0.7%=年14万円、ZEH水準住宅は3,500万円×0.7%=年24.5万円、長期優良住宅は4,500万円×0.7%=年31.5万円です。実際の控除額は年末のローン残高と税額で決まるので、自分の借入額では住宅ローン控除シミュレーターで試算してください。制度の条件は住宅ローン控除【2026年入居】で確認できます。

贈与税の非課税枠(2026年12月31日までの贈与が対象)は、断熱等級5以上かつ一次エネ等級6以上のほか、耐震等級2以上などでも「省エネ等住宅」として1,000万円になります。GX志向型住宅の要件(HEMSの製品条件や立地による緩和など)はGX志向型住宅の解説で詳しく整理しています。補助金をまとめて試算するなら補助金シミュレーターが使えます。

⚠️ 省エネ基準適合(等級4)の住宅ローン控除は縮小している

省エネ基準適合住宅の借入限度額は2026年入居から2,000万円に下がり、2028年(令和10年)以降に建築確認を受けるものは住宅ローン控除の対象外です。国土交通省は、省エネ基準を遅くとも2030年までにZEH水準の省エネ性能へ引き上げる予定としています。これから建てる家は、断熱等級5以上・一次エネ等級6以上を下限として検討すると、制度の変更の影響を受けにくくなります。

会社の「UA値」表記の読み方と確認の手順

ハウスメーカーの公式サイトでは、UA値を1つの数字で示していることがよくあります。たとえば次のような表記です(2026年10月10日確認)。

上の表に当てはめると、UA値0.46は5〜7地域なら等級6の基準値ちょうどですが、4地域と3地域では等級5(等級6は4地域0.34以下、3地域0.28以下)、1・2地域では等級4です。UA値0.28は1〜7地域のどこでも等級6の基準を満たしますが、等級7(5〜7地域で0.26以下)には届きません。同じ数字でも、建てる地域で等級が変わります。なお「G2」はHEAT20という民間の研究会の指標で、住宅性能表示制度の等級とは別のものです。

  1. 建設地の地域区分を確かめる

    市町村(合併前の旧市町村)で決まります。土地が未定なら、候補エリアの区分を先に調べておきます。

  2. 「等級」と「UA値」をセットで聞く

    「この建設地の地域区分で、断熱等級はいくつ、UA値はいくつですか」と聞きます。5〜8地域ではηAC値も確認します。

  3. 自分のプランの計算値をもらう

    公式サイトの数字は、モデルプランや代表的な仕様での値であることが多く、各社も「プランにより異なる」と注記しています。契約前に、自分の間取りで計算した結果を見せてもらいます。

  4. 一次エネルギー消費量等級も確認する

    補助金・減税の区分は、断熱等級と一次エネ等級の組み合わせです。GX志向型なら一次エネ等級8、ZEH水準・長期優良住宅なら6以上が必要です。

  5. 証明書類を着工前に手配する

    みらいエコ住宅2026事業のGX志向型住宅では、BELS評価書か、断熱等級6以上かつ一次エネ等級8を満たす設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書などで性能を証明します。長期優良住宅は着工前に所管行政庁へ認定を申請します。どの証明書も発行に手数料がかかります。

各社が公式サイトで公表している断熱等級・UA値は、ハウスメーカー別のページで前提条件とあわせて整理しています。

よくある質問

断熱等級6と等級7はどのくらい違いますか?
UA値の基準で比べると、6地域(東京23区・大阪市など)では等級6が0.46、等級7が0.26 W/(㎡・K)以下です。1〜3地域では等級6が0.28、等級7が0.20以下です。8地域(沖縄県など)には等級7がなく、等級6が最上位です。住宅性能評価書にUA値などの数値を併せて明示できるのは、一戸建てでは等級7(8地域は等級6)の場合です。
UA値が同じなら、全国どこでも同じ等級ですか?
違います。基準値は地域区分ごとに決まっているため、UA値0.46は5〜7地域なら等級6ですが、3・4地域なら等級5、1・2地域なら等級4です。5〜7地域では、ηAC値の基準も満たす必要があります。
断熱等級5と一次エネ等級6なら「ZEH」ですか?
税制や補助金でいう「ZEH水準住宅」には当たりますが、太陽光発電などを組み合わせて年間のエネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることを目指す「ZEH」とは別の区分です。ZEH水準住宅は断熱等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上の住宅で、太陽光発電は要件に入っていません。
気密性能(C値)は断熱等級に関係しますか?
評価方法基準の断熱等性能等級は、UA値・ηAC値・結露の発生を防止する対策で判定し、C値の基準はありません。気密を重視する場合は、会社に気密測定を行うかどうかと、その結果の扱いを別に確認してください。
断熱等級はどの書類で確認できますか?
登録住宅性能評価機関が発行する設計住宅性能評価書・建設住宅性能評価書に等級が記載されます。住宅ローン控除では、建築士などが発行する住宅省エネルギー性能証明書も使えます。2026年1月1日以降に入居する省エネ基準適合住宅は、建築基準法の検査済証の写しでも証明できます。

まとめ

参考情報・データの出典